「大丈夫か?」

幸輝は制服のシャツを脱いで梨紗に着せた。中にはTシャツを着ていた。
           
「私は平気。幸輝のほうが…」

口の中が切れているようで、口元から血が流れている。梨紗はカバンからハンカチを出して渡した。
           
「たいしたことねぇよ」
           
そう言いながらハンカチで血を拭った。    
           
「早く離れよう」
           
幸輝の言葉で2人は歩き出した。