中学1年の時、梨紗と晴美と絵里は同じクラスで仲良くなった。    
           
2年と3年のクラス替えでバラバラになってしまったけれど、3人は変わらずずっと仲良くやってきた。        
           
絵里は中2の4月にも、中3の4月にも、今日と同じようなことをぼやいていたのを梨紗も晴美も覚えている。     
そして、そんな悩みを笑い話にできるほど、すぐにたくさんの友達ができたことも。      
           
「まぁ、頑張りな」  
「なんとかなるでしょ」
           
口々に言う梨紗と晴美に、
「なんか軽くない!?真剣に悩んでるのにぃ……って良平聞いてる!??」
絵里は良平に話しをふる。          
「聞いてる聞いてる。頑張れよ。」      
バイトの求人誌を見ながら良平は答えた。   
           
「もぉ〜」      
絵里はふてくされた表情でジュースを飲む。  
           
少し人見知りなところがあるために、打ち解けるのに人より時間がかかってしまう絵里だけど、持ち前のその明るさが人を引き付けることをみんな知っていた。