奈津樹は泣きそうになった
「電話で謝ってくれた。…のに、最低や」
「謝ったんや。」
「うん…」
「どうするん?」
「別れたい…けど、嫌いになれへんねん」
「ヤるまで言われたのに?」
「うん、あたしおかしい?」
「おかしくないやろ」
「忘れる努力する…!」
「奈津樹ちゃん…俺、マジで好きやから」
「あ…りがと」




「それ…別れぇよ!」
教室に響く、沙耶の怒りの声
クラス中が注目した
「やっぱり…?」
「当たり前やんか!」
沙耶はジュースを飲みながら言った

「そっかぁ…」
「はっきり言うけど…、奈津樹…愛されてない」
「分かってる」
奈津樹は綺麗にショッキングピンクに塗られた、自分の爪を見ていた
「奈津樹の身のためやで?
まだ麗也らとはつるんでるから…、何でも出来るって思ってる最低な男やねんで?あいつは」
「うん。でも…あたしは好き。何されても…嫌いにはなれん」
「気持ちも大事やけど…、好きでも離れなあかんこともあるんやで?」
「知ってる…。でも、あとちょっとだけ時間ちょうだい」
「分かった…」