「ああ」



奏くんに連れられて蓮も神社に入った



「それにしても、すごい人ね…」



「確かに…」



「まずはお賽銭にお金入れて願い事をしましょう」



「この行列に並ぶの…」



「仕方がないよ、今日は元旦だから」



「だよねぇ…」



気が遠くなるほどの行列に並ぶことにした私たち













「長い…」



「まだまだあるわね〜」



行列に並び始めてから30分



進んだものの…



まだ私たちは列の真ん中にいた



「いつになったらこの列から抜け出せるんだろ…」



途方に暮れていると



「姫?」



前から声が聞こえた



「優ちゃん?!」



「姫もここの神社に来てたんだね」



「うん」



「袴似合ってる。可愛い」



「あ、ありがとう…」



「人の女、口説くのやめてくれる?」



優ちゃんの言葉に照れていると後ろからドスのきいた声が聞こえてきた



「れ、蓮…」



「俺は思ったことそのまま言っただけだけど?」



「それが口説いてるんだよ」



な、なんか怖いんですけど…



「あ、あの…2人とも…落ち着いてください…」



険悪なムードに焦る私



「姫歌、前進んだわよ」



「あ、うん」