「まァ、いいだろウ」

「ムダな手間ガ省けた」

「お前かラ食ッてやル」


 ギロリと、三つの頭はショウを見た。

 彼は、何とか逃げようと、歯を食いしばるけれど、身体は微動だにせず、もうその力もないみたいだ。

 三頭は確実に彼をターゲットにして、今にも食らいつこうとしている。

 ショウが、また傷つく?

 バケモノにやられる?

 このままじゃ、彼は死んでしまう!

 イヤ、イヤ……。

 そんなの……。

 もう……イヤだ。

 背中の傷のせいか、この凄惨な光景のせいか。

 頭が沸騰しているかのように痛かった。

 視界がチリチリと焼けつくようで。

 呼吸は浅く、早い。

 そしてそのまま──何かが、焼き切れた気がした。

 突然、どこからか眩い光が溢れ、視界が眩む。