その様子に戦慄しつつ、小さく息を吐いた。
これも、訓練しておいてよかった。
炎ばかりじゃ、偏りができてしまうから、雷魔法もやっておいたんだ。
しかも、火魔法から雷魔法に魔法陣を楽に変形できるように、いろいろと途中詠唱を省いたものを考えておいたんだ。
ちゃんと、省いても魔法が働いてくれた。
バケモノの身体からはまだパチパチと目視できるほど電気がまとわりついていて、身動きが取れない様だった。
地面に蹲ったままのバケモノに、余力は残っていない様に見える。
警戒しつつ、距離を十分に取った状態で地面に降り立った。
「フフフ、さすがトいッたトころカ。魔術師といぅノは」
三つの顔は僅かに動きこちらを見据えると、掠れた声を出す。
「ダが……」
「えっ──?」
バケモノの六個の瞳が今まで以上に怪しい光を放ったかと思うと……。
〈クレア!〉
いつもは落ち着きはらっているショウの焦った声が、脳内に響いた。
──ザシュッ!