外は、ムッとするほどの湿気と熱気に包まれていた。

少し歩くだけで、じとっと汗が吹き出てくる。 


バックに手を伸ばし、ハンドタオルで額の汗を拭う。

時間が気になったものの、まだ晩御飯を済ませていなかったから、お腹が空いている。


迷わず、改札口脇にある弁当屋に足を向けた。


残り僅かとなった弁当の中から『幕の内』を選んだ。 

――と、


『21時05分発 のぞみ54号 東京行きがまもなく……』アナウンスが入った。 

慌てて、改札を通り抜け、エスカレーターを駆け上がった。