食べ終えた弁当を捨てに、デッキへと向かった。 


溢れかえるほどのゴミの山にうんざりしながら、奥へと押し込んだ。 


その拍子に、醤油が手に付き、洗面所で手を洗っているときだった。 



ブーブーブー……



マナーモードにしていた携帯が、ポケットの中で震え出した。 


慌てて、ディスプレイを確認し、通話ボタンを押した。 


「もしもし?」


「おう!美波、今どこ?」

「京都を過ぎたところ。多分、米原辺りかな?そっちは?」


「あぁ。俺ら、新宿の居酒屋。玲子も美紀も来てるよ」


「えっー、玲子も来てるの?」


「あぁ。新婚だし、無理かなぁと思ったけど、旦那が許してくれたんだってさ!」