蒼大も、えっ...?というような
表情をしている。そして、気まずそうに同じトランペットパートの女の子と音楽室を出て行った。


「櫻、大丈夫?ごめん、大丈夫じゃないよね...また、帰りね!」
親友の彩音も気まずそうに蒼大と同じように去って行った。


私はこれから、トランペットパートとは呼ばれない。これからは、パーカッションなんだ。

「それじゃ、自己紹介しよっか!」
先輩が明るく話しかけてくれる。そうだ、こんな顔してちゃ先輩に失礼だ。

「高橋櫻です。中学の時はトランペットしてました。なのでパーカッションのことはあまり分かりませんが、精一杯頑張るので、宜しくお願いします...!」

先輩が拍手してくれる。

「佐々木由良です。私も中学ではパーカッションではなく、クラリネット吹いてました。でも、打楽器ってかっこいいなって思ってパーカッションにしました!素人ですが、宜しくお願いします!」


そうだ、パーカッションってかっこいいんだ。私も中学の時は何回もパーカッションがかっこいいって思った。


その日は簡単な自己紹介で終わった。
パーカッションの先輩には、部長さんがいて、何かあったらすぐ言いなよ?って言ってくれて。

これからパーカッションで頑張ることがとても楽しみになった。