晴斗side

いやー、今年も○○選手の活躍が楽しみですねー。


今回は3連覇がかかってますからねー。


やはり、最後の接戦はワクワクしますよね。


そうですね、選手も楽しんで、かつ、真剣にやっているんでしょうね。


さて、明日は世界選手権!!みなさんも___





「おい、ハル?どうした?入学式が…テレビ見てたのか。あぁ、最近競泳すごいもんな。……」


絶え間なくレポーターが話している声をTVのスピーカーが大きめの音で垂れ流す。


手を止めてそちらの声に耳を傾けるのは普通だろう。


なんせかなりうるさいのだから。


そんな俺を、友人、カズはリアルに引き戻した。


「え?………あ、いや。そうだな。」


ぼうっとした返事のような気もするが、これは、俺の通常運行だ。


少し、胃が痛くなったのは、入学式に緊張してるからだろう、そうに違いない。


「いくか。カズ。」


「そうだなー。じゃ、おばさん。俺たちもういくんで。」


台所にいる母親にカズが笑顔を振りまいて言う。


「あら?そうなの?ハルくん、お弁当は?」


「今日は入学式だけだからいらないよ。」



ていうか、もう高校生になるんだからさ。ハルくんっていうのやめて欲しい。


まぁ、今更どうでもいいっちゃいいんだけど。


「……部活見学はいかないの?」



「………ああ。いかないよ。帰宅部。」


「そう、わかったわー。いってらっしゃいね、カズくんもねー。あ、お母さんも入学式いくからね!」


「あぁ。」


「じゃあ、おばさん、またあとで!」


「ええ。いってらっしゃい。」


ガチャ