お風呂から上がると カケルの服が用意されていた。
上がると 後輩は居なくて 上半身裸のカケルがいた。
「ごめんッ‼…お風呂、勝手に借りた」
「カケル、バイクで行ったの?」
「いや、ひっさびさチャリ乗った。傘差したけど 意味ねぇくらい濡れた」
「あ!そうなの?お風呂入って来なよ…ロールキャベツの準備しとくから」
カケルはお風呂場に向かった。
よし!じゃあ準備するかッ
私は早速 キッチンに立ち材料を冷蔵庫から取り出した。
トントン…
まな板の音が部屋中に鳴り響く。
うっ…うぅ〜
私の声も部屋中に鳴り響く
今日で この家とも サヨナラ だ。
私は何回このキッチンに立っただろう。
トマトに包丁を入れた瞬間に涙が溢れ出た。
今までは 包丁が進んで行くと カケルの喜ぶ顔が見たい一心にかられたのに今は
何故か縁が切れてしまったように感じた
するとお風呂場のドアが開く音が聞こえた。私はタオルで涙を拭いて 水を出し顔を洗ったような演出をした。