アルミ製のゴミ箱をじっと見つめる。
倒れかけたスティック。
悲しく影が伸びる。

自分は何処に行ったの?
何処に私がいるっていうの?
本当が、見当たらない。
鏡に映ってるのも
近くの川に映っているのも
本当の自分じゃないとしたら。
何処に私がいるというんだろう?

「乃……。彰人さん……。」

しょっぱい涙が頬を伝う。
悲しいから、しょっぱい。
悲しいから、孤独?
そんなの、私には分からない。
中学生だよ?まだ。
こんなのは私には重すぎる。
重すぎるよ。

「裕……。」

悲しい雨が降りそうだった。
空にじゃない。
私の、心に。