「じゃあ、曲はこれでいいのかな?」
「賛成。ね、坂東もそうだよね?」
「違うクラスでもその男を呼ぶような呼び方やめてくれない……?結構傷付くんですけど。」
「良いじゃ~ん。男勝りなんだし。」
「何よ!?」
「何よ~?」

何となく、楽しかった。
普段乃と二人だけで話すよりも、いつも誰かと笑ってるときよりも。
何処か、幸せを感じ始めていた―――――。

「じゃあ、SAKIの愛と夢で決まりね。」

決が決まったときにふいと私に見せた君の笑顔に、顔を熱くした。
初めて感じる、憧れでも、感じたことのない感情。

「良かったじゃん、SAKIの曲弾けて歌えて。幸せだね~。」
「うん……!皆、有り難う!」

お辞儀をした。心を込めて。

「ははは、可愛い。」
「新鮮なタイプだよね~、涼香ちゃんと居ると、楽しそうだよ。」
「あ~、確かに。な、裕。」
「あ?あ、うん。そうかもね……。」

裕君は太陽のようにこの人たちを包んでいるんだ。
私は、彼の笑顔を見ながらそう思っていた。