「山本と坂東が入ってくれるの!?凄~い!!」
乃が肩を組んで飛び跳ねる。
私も嬉しくて思わず笑った。
知らせてくれた裕君も、一緒に笑ってくれていた。
「そういえば、SAKIのCD候補借りてきたんだ。良かったら聞かない?」
「え、SAKIの?そういえば候補って言ってたよね~。」
「……どれ選んできたの?」
「えっとね、SUMMERと、愛と夢。それとWho is?かな。」
好きな曲ばっかりで嬉しかったけれど、一つだけ初めて聞く題の物があった。
「愛と夢って、何?」
「アタシも知らな~い。」
「今度のドラマのテーマだって。予告で見てネットでこれだけ落としてきた。」
「……聞かせてくれる?」
「あ、良いよ。」
裕君は自分のMP3を鞄から出すとアタシにイヤホンを差し出した。
彼の大きい手がイヤホンを小さく見せて驚いた。
少しドキドキしてイヤホンを震える手で受け取る。
「ア、アタシも次聞かせてね?」
「うん、良いよ~。」
「…………。」
声が聞こえたらドキドキしたんだよ?
君の低めの声が
ますます心を落ち着かせてくれて
夢に向かえって
言ってくれたのも君だった
ねえ 気付いてよ
アタシの気持ちが離れる前に
何となく、私の気持ちに似ている気がした。
SAKIの高めの声が体中に響いていく気がした。
色んな気持ちが重なり合って涙が零れそうになる。
これが、毎週ドラマ聞けると思うと少し嬉しい。
「……良い、この歌好きだよ。」
裕君に興奮したまま伝えた。
裕君は少し驚いたように私を見た。
それで私はやっと気付いて慌てて顔を赤くした。
そしたら、裕君は笑って私を見てこういってくれたね。
「俺も、その歌好きなんだ。」
本当に、嬉しかったんだよ。