嫌じゃない。
この人は何だか落ち着ける雰囲気の人だった。
見た目も服も、そして、光の中から出てきた時に見えた、綺麗な顔立ちも。

「……こんにちわ。」
「ここ、こんにちわ!」

緊張で頭が破裂しそうになる。

「えっと……上手なんだって?ギターも歌も。」
「いや、そんなこと……ないです……。」

上手く言葉が話せない。
何だか身体が熱かった。
恋もしたことのないアタシが、感じた身体への感覚。
そうそれは、運命だと思ったSAKIとの出合いに似てる。
貴方との出逢いは、まさに運命だった……。

「若いねえ、二人とも。」
「お前、俺と同い年だろ……。」
「あ、えっと……。」
「俺たち、2年だよ~。同い年!クラス違うから分かんなかった?まあ、コイツなんて特に物静かだから目立たないけど。」

頭をワシワシと撫でられる貴方は、何処か光っているところがあって。

「……梓井です。梓井、裕。(シイ・ユウ)」

何だか別れの挨拶みたいな名前で、不思議な感覚。
でも、やっぱり感じる安心感に、私はときめきを感じていた。

「俺、山本康司。」
「ウチ、坂東由佳!」

また、新しい出合い。

神様、貴方に感謝します。

引き合わせてくれた貴方に。

有り難う。

有難うございました。

そして、貴方にも。

有り難う。