「えっと、提案があります。このまま続けるのはどうでしょうか~?皆上手く行ってるみたいだし良いかななんて。」

部長が満面の笑みで伝える。
私も、そのほうが良い。

「賛成!」
「俺も~。」

乃を横目でちらっと見た。
浮かなそうな顔。

『お友達バンド?結局涼香が裕君と一緒に居たいだけじゃない?それってワガママだと思うよ。』

要約すれば、乃の言いたい事はこうだ。

「え~、アタシ賛成できないかも~。」

乃が大きな声で反対を始めた。

「え、どうして?」
「やっぱり、新鮮さが大切じゃない?どうしても今のままじゃ新鮮味に欠けるって言うか~、イマイチってわけよ。」
「そうかな?俺は好きだけど。」
「裕は鈍感なんだよっ。」

乃の発言に皆が困ったような顔になる。
部長、どうするのかな……?
噂では、部長は乃が好きらしい。
やっぱり恋に走っちゃうのかな?
中学生ならありえるよね、そういうの。

「俺は…………。」