「おっす。」
「お、おす……。」

ぎこちない感じで入ったのはまずかった。やっぱり空気を壊しちゃったみたいで、シンとしてる。
私の所為だよね…………?何だか気まずいよぉ……。

「…………。」
「あ、そうだ涼香!!えっと、えっとさ、涼香はさ…………。」

乃が暗い空気を喚起するように何か話題を出そうとした。

「ぷっ。」
「あはははははははは。」

皆が笑った。乃の戸惑う顔に。私もほっとして、乃の横にチョコンと座った。乃の顔が赤い。何だか可愛くて良いなぁ……。
私もこのぐらい可愛かったら裕に、会えて良かったじゃなくて、好きって……。

「ふはぁ!!?」

考えただけで顔が熱くなった。

「……り、涼香ちゃん?」
「へ!?」
「不思議っ子だよね~、涼香ちゃんも。」
「あ~、分かるそれ。」

また皆が盛り上がる。私が考えてる事は、真剣なのになぁ……。でも、何考えてんだ私。妄想激しい…………!?

「何、緊張してるの?」

山本君がニコニコしながら聞いてくる。

「え、違うよ……?」
「あはは。語尾疑問系だぁ~。」

からかうような山本君に少しむっとした。

「違うもん……、そうじゃないもん……。ただ……。」

言いかけてハッとした。もう少しで自分が裕を好きなことを言ってしまうところだった。

「ただ?」
「緊張、してます……。」
「ははは。」
「面白すぎ、涼香。」
「そういう所、可愛いけどね。」

サラッと可愛いとか言っちゃう所が山本君らしいけど、誰に言われてもそのフレーズには照れてしまう。顔、赤いかも……。

「もう、山本はそういうの多すぎ~。」
「本当の事なんだけどなぁ~。」

これに、深い意味なんて無いと思ってたよ。