「…………。」
部室に入れないまま五分がたった。
君が居たらどんな顔しよう。
そればかりが頭を駆け巡っていた。
“ガチャ。”
「あ、涼香ちゃんだ。」
「はへ!?」
見上げたら、そこに居たのは先輩だった。
「谷口、絵梨先輩……?」
「お、覚えててくれたんだ~。」
「まあ、一応……。」
「新しいバンド、結成ミーティングするよ。」
「へ……?」
「一活動ずつに一バンド。これウチの決まりだからさ。慣れないだろうけど、皆やってるからさ。ほら、他の子呼んでくる間、中で乃と話してな。」
「あ、はい。」
バンド変え……。
何だか不安だった。