“カサッ。”

手紙を開いたら香水の香りが漂ってくる。
心地よくて眼を瞑った。
内容が、一つ一つ裕が読んでいるかのように頭に入ってくる。

最初涼香が来たときは、大丈夫か?ってちょっと思ったよ。なんだか、さえなさそうな大人しそうな感じだったから……。どちらかというと妹みたいな感じのタイプでしょ、涼香。
だけどさ、歌を聴いたときに、ちゃんとこの子は出来る子なんだなぁって。すっかり後輩だと思い込んでたから同い年って聞いてビックリした。ごめん、怒った?
本当、今では涼香の事凄く尊敬してる。よく笑いようになった涼香を見てると元気が沸く。だから、夢に向って俺達と頑張ろうな?
初めての手紙だから、伝わらなきゃいけない事も伝わらなかったかもな……。でも、それはいいや。また今度話します。じゃあ、明日一緒に頑張ろうな?

彼の大人っぽい字が心に響いたのか。
それとも彼だったからか。
本当に、私は感動していた。