---陽也side---


眠っている那未の手は


少しだけ冷たかった


病室を出て 歩いていると


里佳が壁に寄りかかっていた


「もういいの? 5分くらいしか


経ってないけど・・・」


「ああ・・・なんか


疲れてるみたいだし


悪かったな 無理言って」


「別に・・・那未


少し元気なかったから


過呼吸なんて 久々だったし


大丈夫だって思ったのに」


そう言いながら 里佳は


悔しそうな顔をしていた


俺だって・・・悔しいよ


那未の異変に気付かなかった


「・・・しばらくは


安静のため 入院するから」


「わかった 俺 毎日来る」


俺は 里佳の横を通り過ぎた


病院を出ると 外は


暗くなっていた


ポケットからスマホを出すと


7時前・・・


結構 時間経ったな


那未のそばを離れる事が出来なかった