すると 綾斗は横になっている


私に近付いて来た


やだ・・・私 何されるの?


『悪いな・・・でもこれも


お前のためなんだ』


そう言って 綾斗はハンカチを


私の口に当てた


まぶたが・・・重い


『・・・お前は俺から


逃げられない


だから 逃げようとするなよ?』


意識が遠くなる・・・


「・・・み? 那未?」


どこからか 私を呼ぶ声がする


「那未!?」


その声に 目を開けると


白い天井があった


ここ・・・病院?


「那未? 起きた?」


「・・・里佳?」


目の前には 心配そうな


顔をしている里佳が居た


「私・・・どうしたの?」


「山宮君から電話もらったの


で・・・ウチの病院に運ばれたの


呼吸は止まるし 震えてるし


大変だったんだよ?」


「・・・そう」


「今日は 安静のために


入院だからって パパが言ってたから


ゆっくり休んでね?」


そう言って 里佳は病室を出た