「奄上いつもあんな感じなん?」

「なにが?」

騒がしい廊下を避けて3階に続く階段でアイスを食べる。

「だから…なんていうか」

「二重人格?」

「そこまで言ってない」

「んー…でも先輩方はこんな感じの後輩が好きでしょ。」

お馬鹿で明るくていつも笑ってる女の子。

それが先輩方から見た偽りの私。

「なんか隠したいことでもあんの?」

「いや?でも先輩方なんてその内卒業してくんだから適当でいいかなと思って」

自分でも自覚してるけど私の性格は最低最悪だと思う

空になったカップを持って時計をみればそろそろ交代の時間。

「交代だよ」

「もう?早いなぁ~」

少しずつだけど私は自分の変化に気づいてた。

優のそばにいると素直になってしまうと。

それがとても怖かった。