「本当に、本当にごめんなさい!!!!せっかく可愛い水着を咲希ちゃんが選んでくれたのにっっ!!!!」
「咲希ぃぃ~~~~!!!マジでごめんよおぉぉ~~!!一緒に水着買いに行った仲間なのに、ドタキャンなんて!!!
咲希が許してくれるならあたし、 ‟市中引き回し” の刑に処してもらってもいいからっっ!!!!」
ふ、二人とも、凄い気迫だな……。
「だ、大丈夫だよ?日曜日行けなくなって残念だけど、また日を改めて一緒に行こうよ!だから今週の日曜日のプールのチケット、私がキャンセルしてとりなおしておくから、二人とも安心して!」
「「え”!!?キャンセル!!?」」
シーーーン
あれ??いま私、何か変なこと言ったかな…!?
二人とも動かなくなっちゃったよ!!
でも、みんな行けなくなっちゃったから、勿体ないけどキャンセルしなくちゃっ!
幸い、アクアランドのチケットは前日までならキャンセルが可能である。
「うん。キャンセルしてくるから、だからまた次の日曜日にでも一緒に行こうよ!私、そのためにも平日はバイト詰め込んで頑張って、」
「「ちょっと待った!!!!」」
…………へ??
急にちーちゃんと唯ちゃんが教室中に響くくらいの声で私の話を遮った!!
「咲希ちゃん!!私達に遠慮せずに行ってきなよ!誘いたい人いるんでしょっ!?」
「え!??“誘いたい人”!?」
唯ちゃんが恐いくらい真剣な顔で私を見てくる……!
こ、こんな唯ちゃん、見たことないよ!
そしてそんな唯ちゃんの横には……。
「咲希ッ!!我慢しないのッッ!!!我慢は体に毒なんだから!行ってきなって!!!存分にイチャついてくるのよっ!!」
瞳孔が開きっぱなしで、目が血走っているちーちゃんがいた…。
え、えっと。
話の流れがまったく解らないんだけれど…?
「あの~、ひとつ質問なのですが、……二人ともいったい何の話をしているのでしょうか??」
それに我慢ってなんのことだろう!?
するとちーちゃんと唯ちゃんが、事前に口裏を合わせたかのように綺麗に揃って同じ言葉を口にした!!
「「だから、霧島王子を誘ってプールデートしておいでってば!」」
え?
キリシマオウジ??
…………………。
……………。
って!!
「えっ!!!まさか、ききき霧島くんッ??!」
そう。
それは、私にとってはまさかの展開だったのだ……。