「ファーストフードで良いよね?金無いし~。」
「良い良い~!!」
「ようし、遅飯だ~。」
高橋は何事も無かったように皆と接していた。
『言わないよ、別に。』
凄く新鮮だった。今までの恋ならこうは行かない。
ばれてしまえば思い通りに行かなくなって壊れてしまう。
だから、親友にだって言えないままだった。
人間不信に陥った事だってある。
それが、……そんな自分が嫌だったんだ。
「…………。」
皆に見えないように泣きたかったけど、泣いてしまえばまた高橋に言われそうで言えなかった。
だから、心の中だけで、君への感謝の涙を流した。有り難う。有り難う。優しい君に。短い時間の、人から見れば他愛のない話。けど、私には大事だった。
「遥~?行っちゃうぞ?」
「あ~、うん!今行く!」
「お前も遅いぞ、村山~。」
「あ、ああ……。」
何だかすれていないアタシ達。
それが何だか嬉しかった。
アイツとの共通点がまた見つかって。
「早く、宗助!」
「え?」
「先、行っちゃうよ?」
ねえ、今はアタシだけを見ていて?
君はアタシだけの物なんて、臭くて言えないけど。
だけど、今だけで良いから。
笑顔のアタシを見ていてください―――――。