「高橋?」
「正解~。つかビビりすぎっしょ。」
「だってここヤバイじゃん……。」
「俺の声ぐらい分かれって。超うけるんですけど。谷口はウサギかよ。傑作すぎる~。」
うけるの言葉だけで、ニヤニヤしてるし。
何だか見下された気分。
「そんなにアホっぽくないし!!」
「まあまあ、キレるなキレるな。」
何だか、懐かしい気もした。
どうしてだろう?
「ん?なんかお前、香水つけてる?」
「え?ううん、つけてない。」
「何か匂いしたからさ。」
「そう?気のせいでしょ。」
「そっか。」
そんなの、前の人の残り香じゃないの?
あ……もしかして宮下のかも。
「男物の香水の匂いだったし、そうだよな。」
「男物……。」
やっぱり、そうだ。
「宮下と付き合い始めたんだって?」
「え、超唐突なんですけど……。」
「どうなの?」
「……うん。」
「村山の事は、もう良いの?」
あ、宗助と別れた事、言ってないんだ。
高橋が、一番応援してくれてたのに。
「…………もう、別れちゃったから。」
「別れた?踏ん切りつけたんだ。」
「うん。」
「ふーん。よかったんじゃない?」
予想外の言葉に口を大きく開けてしまった。
「へっ……?」
「それで、お前が幸せになれるなら。」
どうしよう。
…………凄く、嬉しかった。