「宮下~♪」
「お、谷口来たか~。」
「はい、これ紅茶~。」
「ありがとな~。」
「遥にはお茶で良い?」
「うん。ありがとう。」

盛り上がる公園。
皆迷惑とか考えてないんだろうな……。
まあ、今日だけは良いか。

「じゃあ、花火持って~!」
「うぃ~す!!」
「アタシピンク~♪」
「じゃあ、谷口にはこれ。」
「?」
「緑とか、色んなのになるみたい。」
「ありがと。」

宮下に貰った花火は、赤い紙で巻かれた花火。
側面に何か書いてある?
小さい字…………。
『後で一緒に抜けような?』

「??」

意味が分からなかったけど、これって呼び出し、だよね……?宮下は、どういうつもりなんだろう?

“シュボーーー!!”

火薬の匂いが鼻に付く。
キラキラと光る火の色に、アタシはボーっと見とれていた。ずっと、消えなかったら良いのにって、そう思っていた。

「…………綺麗。」
「キャー、ヤバイ~。」
「お前、はしゃぎ過ぎだから。」
「良いじゃ~ん。」

アタシは消えてしまったカスと、宮下を交互に見つめた。火種を完全に消して、アタシはそのカスをティッシュに包んで鞄に入れた。