「よっす。」

肌もキラキラ爽快な男子達の笑顔。
アタシ達はそれを睨むように見ていた。

「何で先に行っちゃうの?」
「立ってた人のみになってよ~!!」

二人で大声を出したら、大学生らしき人が思い切り睨んできた。

「うるさいんですけど……。」
「あ、すいません……。」

何であいつ等よりアタシ達の方が先に謝ってんのよ……。
つか、あの人怖いし……。
すっかり小さくなったアタシ達は黙って男子達の前に座った。

「怒られてやんの。」
「うっせ。」
「ははは。」

小声で単発的な話。
でも、少しスリリングで楽しい。
アタシ達は確かに幸せを感じていた。

「なあ、こんな席順じゃつまんなくね?変えようぜ。」

高橋の提案。
ナイスだ高橋!!よくやった!!
内心狼のままアタシは皆と一緒に賛成していた。
もちろん、隣は宗助じゃないと……。

「…………え?」

席順。
高橋、アタシ、柳、紗江
美玖、友香 、宗助
って、アタシ達超離れてるし!!
クジ運悪すぎ……。

「オッケ、じゃあ、分かんなかったら隣の人か前に聞く事!斜め聞き無しだぞ?お前等せっかく男女混合なんだから!!」

小声だけど何かとはしゃいでる高橋と柳はもう合コン気分満開で、美玖と友香もすっかりペースに飲まれていた。

「ハア~……。」

ため息を吐いてるのは、アタシと紗江と宗助か……。
何だか今日疲れそう……。
そんな事を思いながら、アタシは鞄から英語を取り出した。
まあ、主旨はこれだし?一応頑張るわけですよ。

「…………。」

合コン(違うけど)真っ最中の四人はほったらかして、アタシは勉強を始めた。
これから、沢山の事件が起こってしまうとも知らずに。