持っていたばんそうこうで傷を隠す。
まだ痛いその傷を気にしながら宗助の後を付いていく。歩くの、こんなに速かったっけ?

「宗助っ!」
「…………何?」
「ちょっと、速い……。」
「ごめん。」

宗助は歩幅を狭めてくれた。
けれど、その優しさは何処か寂しげで。
嫌々じゃないけど、進んででもない。
照れているわけじゃないのに遠い。

「村山~!!」
「何してんのっ!?」

後ろから来る女子達に疎外感を覚える。
宗助は笑っていて、楽しそうに笑って。
アタシは宗助達を尻目に、一人バスに乗った。
素直になりたいのに
これ以上わがままを言えば嫌われる気がした。

「…………。」

これなら、前のほうがずっと良かった。
胸が苦しい。
前より、ずっとずっと。
ねえ、アタシ以外の女子に触らせないでよ。
アタシ以外の女子といたほうが楽しいの?
付き合おうって言ってくれたのは宗助なのに。
どうして今はそんなに冷たくなっちゃったの?
ねえ、答えてよ…………!