「…………。」

送信ボタンが押せないまま何分経っただろう。
息苦しい時間が続く。

日付:10月12日15:35
送信:村山宗助
 題:無題
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本当?
嬉しい!!
宜しくお願いします。

そんな文面、照れ臭かったのと
信じて良いの?って気持ち。
まだ、正直不安。
でも……。

“ピッ。”

押してしまった。
運命へのボタン。
君の返事は多分来ない。
そんな予感。


それは、当たった。
結局返信は来なくて、アタシは朝を迎えた。
まあ、寝てましたけど。

「…………。」

騒がれるのは、お互い好きじゃない。

「…………。」

でも、いつもより長い沈黙。

「…………。」

今日から、彼女になれました。