「今年も、有難うございました!!」

これでお開き。
何となく空気に疲れて座り込んでいた。

「谷口……。」
「?」

高橋の声に反応して振り向く。
例の千羽鶴状態の高橋は顔色が悪い。

「モテモテじゃん。」
「良くないんだよ、皆フッたし。」
「え~、もったいない。」
「だって別に好きじゃね~もん。」
「うわ、贅沢者。」
「すいやせんね。」

少し高橋の顔が明るくなって安心した。

「谷口。」
「また、今度は……。」

“ジャラジャラッ。”

沢山の王冠ストラップがアタシの持っていた紙袋に入れられる。
わけが分からず、アタシは高橋の顔をずっと見ていた……。