「いらっしゃいませ~。」
「バンドショーやってます!!」

アタシ達は必死に廊下で宣伝。
アタシは美玖と同じグループ。

「美玖、お腹減らない?」
「減ったぁ~。」
「後でさ、ちょっと抜けない?」
「良いよ~。」

美玖の売り込みはあっさりしてるから皆通り過ぎていく。
下手すると立ってるだけの時もある。
まあ、見てて面白いけど。

「……終わった?さっきのバンドでシフト交代なんだけど。」
「うん、良いよ。中で涼めば?それか遊び行くんだろ、どうせ。」
「あ、バレてた?」
「当然。」
「んなわけで、行ってきます!」
「へいへい。」

何となく見せた高橋と柳の表情は達成感でいっぱいだった。

「美玖、行こ。」
「よぉし!!」

あとは、後夜祭が待っている。

事件は、そこで起こってしまった。

ねえ、アイツは、アンタは。

いったい何を思っているの?