一つ一つ、BGMが流れながら流れるその映像は、アタシと高橋だけじゃない、皆との思い出だった。
「いつまでも笑っていたい。いつまでもこのままの町でいたい。そんな気持ちが折り重なる幸福。」
皆がそれぞれの台本を読む。
発表は好評だった。
バンドに勝って有志一位を獲得。
皆の、いい思い出になった。
「……有り難う。」
「ん?」
「元気なかったせいでしょ?アタシが。」
舞台裏。片付けのときに言った。
高橋への、照れ隠しを込めて。
「……はは、何勘違いしてるの。お前は自分中心に考えすぎ。」
アンタは軽く笑ってごまかした。
いや、アタシの思い過ごしか。
皆と、交流を持たせて元気付けてくれた。
そう思ったのは、本当に錯覚?
「ほら、俺たちのグループは本祭でもあるんだからな、活動。」
「…………うん。」
ねえ、教えて?