音楽祭、当日。
「…………。」
「人、いっぱいいるな。」
「中学生だけだけど、怖いよね……。」
ギターのネックをギュッと掴む。
怖いんじゃない。
ホールが同じだった。
皆でやった、文化祭の有志。
同じ舞台に、違う人と立つ。
皆に知れ渡ってる、この人と。
皆、どんな眼でアタシを見るんだろう?
「大丈夫、何も変わってねえよ。」
「え…………?」
「だから、そんなビビんな。」
圭吾は優しくネックに付いたアタシの手を解いた。大丈夫だから。と、何度も良いながら。
本当は、圭吾も緊張してたよね?
いくら一目を気にしなくても、
これとそれは違うから。
同じだね。
同じだね。