「なぁ、今日はスタジオで練習だからな。」
「うん。SPEED、成功したいもんね。」
「そうだよな!」

ピンクのギターは今日も輝いてる。
弦はさっき切れて、圭吾に教えてもらった。
圭吾の息がそっとかかって、ドキドキした。

「…………圭吾。」
「ん~?」
「アタシ圭吾が好きになれたかもしれない。」
「え……?」
「もう、大丈夫だよ?」

圭吾の裾をギュッと掴んだ。
本当に、怖くない。
そう思いたいんだ。

高橋は、友達にしか思えない。
それは伝えなきゃいけない。
それがアタシにとってのけじめ。

「…………。」

圭吾の手が頬を包む。
大きい手が体温と鼓動を伝えている。
冷たい頬が温まる。

「遥、俺、離さないから。」
「うん。」
「絶対、誰にも負けねぇから。」

全てが、昨日と違って見えた。
全てが、昨日より輝いていた。