「アタシフィッシュ!」
「俺チーズ。」
「あ、ウチはチキン。」
皆が頼んでる中、アタシだけ決められない。
「でた、遥の優柔不断。」
「え~、言わないでよ~……。」
メニューを見直す。
「あ、じゃあ皆先上行ってろよ?俺等後で頼むからさ。」
「え?あ、いいの?」
そう言ってくれたのは、宗助だった。
優しい目で皆を見送って、フッと笑ってアタシを見る。
「この前のお礼ね。この計画、結構よかった。」
「え、あ……うん。」
アタシは、アンタと隣が良かったんだよ。
そんな事、二人きりでも言えない。
「……何か、待ってもらっちゃってゴメンね?直ぐ、決めるから。」
「別にいいよ?それだけ欲深いってことだし。食べたいの食べれば?」
「何その言い方~?ちょっとムカつくんですけど!!」
笑って言った。
宗助との距離がこれ以上遠のかないように。
クジ運は無いけど、この位は、良いでしょ?
これしか宗助に近づけない。
こんな弱いアタシでも、宗助は優しくしてくれるんだね……?
「ははは、俺はじゃあ、ピタかな?」
「……アタシも、それにする。」
「え、食べたいのじゃなくていいの?」
「それが、何だか食べたかったからっ。」
ねえ、宗助。
少しはアタシの気持ち、気付いてくれた?
好きな奴居る?とか、こんな事とか、思わせぶりなところもあるけど。
君は、その優しさは、アタシだけに向いてるのかもしれない。
一度そう思ったアタシって、馬鹿だったのかな?