「さて…」

百八星の暗殺者達を始末し、松岡はコンテナの中を覗き込む。

先程聞いた限りだと、中には女が乗っている筈だが。

「いい女がいりゃあいいがな」

「……」

楽しげに乗り込む松岡と、興味なさげに無表情の亮二。

中にいたのは、首輪にボンデージ風の衣装を纏った、如何にも性奴隷然としたうら若い娘だった。

長い薄茶色の髪も、顔も、肌も、汗と体液で汚されている。

目の焦点が合っていないのは、ここに来るまでに男達に苛烈な扱いを受けていたが故か。

出番が回ってくるまでの間、暗殺者の男達は暇を持て余す。

仕事を控えている為に、酒を飲んで勘を狂わせるような事は出来ない。

その為に、この女はあてがわれていた。

時間を有り余らせた暗殺者達の慰み者。

それがこの女だった。

「うわ、汚ぇな。おまけに臭ぇしよ」

顔を顰める松岡。

「もう犯りあげられて壊れてんじゃねぇのか?こんな中古品いらね、雪村にやるわ」

「物みたいに言うもんじゃないですよ」

松岡の言葉に、亮二が呆れた顔をする。