山火事のほとぼりが冷めないうちに、亮二達は町を遠ざかる。

百八星や伊庭、倉本達に嗅ぎ付けられるのは面倒だ。

「いや…」

亮二が呟く。

「百八星とは接触した方がいいか…出来るなら一人生け捕りにして、小野寺の所在を吐かせたい。いつまでも雑魚を相手にし続けるのも面倒だ」

「だな」

松岡が腕を組む。

「お前の話を聞くに、百八星ってのは依頼や任務に忠実な狗どもだ。完遂するまでしつこく追い掛け回してくるタイプのな。全滅させるまでチマチマ相手するのは厄介だ。さっさと頭を押さえて握り潰すのが早い。百足や蛇を殺すのと同じやり方だ」

だが、百足や蛇は毒を持つ。

百八星も猛毒を持つ類だ。

嘗めてかかるのは危険だった。