何とか中身を確かめるとやっぱり
思った通り結婚式の招待状だった。
高級なホテルで挙式か…。
ある意味、羨ましい限りである。
私も普通の恋愛だったら
結婚式を挙げられたのかな?
派手ではなくてもいい。
ささやかな…式を
そう思うと何だか切ない気持ちになった。
右手を見てみると
先生が手当てをしてくれた証があった。
胸がギュッと締め付けられる思いをする。
「……先生…」
この想い…。
続ける事ぐらいは、いいですよね?
それなら迷惑をかけないはずだし
ギュッと右手を握り締めた。
それから数日後が経ち
私は、白川美麗の結婚式に出席した。
さすが白川さんと言わんばかりの
派手な会場になっていた。
挙式が始まると梨子が私に小さな声で
話しかけてきた。
「ねぇ、あの旦那さん。
確かにイケメンで金持ちそうだけど…何か腹黒そう」
「……。」
その言葉に返事が困ってしまった。
思わず同意してしまった。
確かに自慢したいのは、分かる。
眼鏡をかけており、いかにもインテリな感じで
IT社長と言う雰囲気が出ている。
しかもイケメン。
しかし、どこか人を見下していてそうな
雰囲気もあった。
人を見かけで判断をしたらダメだと
先生を見て判断したばかりなのに
思わずそう思ってしまった。
「まぁ、見かけによらず優しいのかも知れないし…」
とりあえずフォローしてみる。
「そうかも知れないけど…何か納得がいかないわ」
梨子は、不満そうにしていた。
どうも納得がいかない様子だった。