「甘い物が好きではない俺には、よく分からん」
呆れたようにソファーに座り
コーヒーを飲む先生。
私もソファーに座る事にする。
睦月君は、先生の横に座り
ずっとチラシを眺めていた。
「そうだ。あの…ブロットの方は、
どうなりましたか?」
書き直しているブロットが
どうなったか気になる。
「あぁ、順調に進んでいる。
あともう少し…明日までに
仕上げてやるから待っていろ」
「は、はい。
分かりました。無理なさらないで下さいね」
無理して倒れたら大変だ。
そうしたら苦笑いされる。
「無理以前に気をつけないといけないのは、
お前だろ?
人に言われる前にさっさと治せ。
コイツが心配する」
そう言い睦月君の頭をポンッと撫でる先生。
「は、はい。そうですね。
気をつけて早く治します」
申し訳ない気持ちになるが
先生が少しでも笑ってくれて嬉しくなった。
そして私は、そのまま自宅に帰った。
先生の自宅は、最初緊張したけど…居心地がいい。
ついつい長引いて帰りが遅くなってしまう。
アパートに入る前に郵便ポストを覗いた。
すると広告以外に手紙が届いていた。
宛先を確認すると白川美麗からだった。
「あぁ、結婚式の招待状ね」
梨子がそう言っていたものね。
私は、手紙を持ってアパートに入って行く。
中に入ると手紙の中を調べる。
利き手が使えないと何をするにもやりづらい。