「よし。これでいい
しばらくそのまま大人しくしていろ」
湿布の手当ては、完成すると先生がそう言った。
「あ、ありがとうございます」
お礼を言い手を見ると
湿布の上に包帯を巻いてくれた。
しかし、これだと右手が使えない。
先生は、立ち上がると救急箱をしまいに行く。
そして、キッチンに行き
私の代わりに味噌汁などを作り始めた。
これは、さすがに申し訳ない。
「あ、あの…すみません。まだ途中のままで」
「悪いと思うのなら早く治すのだな」
先生は、それだけ言うと黙ったまま
食材を切っていく。
私は、申し訳ない気持ちで、その光景を見ていた。
すると睦月君が私の服をツンツンと引っ張った。
「うん?どうしたのかな?」
「……痛い?」
また、自分から言葉を言ってくれた。
嬉しい。
「大丈夫よ。ちょっと火傷しちゃったけど
大したこと事ないの。
それよりも助けを求めてくれてありがとう」
私は、睦月君にお礼を言った。
話す事が嫌いなのに
私のために行動してくれたなんて感動してしまう。
するとコクリと頷いくれた。
しばらくして夕食が出来上がる。
私の作ったブリの煮付けと
先生が作った味噌汁とサラダなど
「あの…お味の方は、どうでしょうか?」
ブリは、自分が作ったから緊張してしまう。
一応睦月君は、美味しいと反応してくれたけど