ちゃんと作り方もスマホで
確かめ直したから間違いはないはずだ。
私は、一口味見してみる。
「うん。大丈夫…美味く出来たわ」
すると作っている間
椅子に乗り隣で見ていた睦月君が
手を伸ばしてきた。
欲しいらしい。
「睦月君も食べる?」
そう言い口でフーフーと冷まし
食べさせてあげた。
パクっと食べる睦月君。
モグモグと食べながら親指を立てた。
どうやらグッドらしい。
良かった。
「じゃあ、完成。これの他にも作って…」
そう言いながら時計を見ると
もうすでに18時になっているではないか!?
「あ、大変。もうこんな時間!?
早く作らないと夕食が遅くなっちゃう…」
慌てて味噌汁を作ろうとする。
だが慌てたり、テンパるとろくな目に遭わない
自分の性格にそろそろ学ばないといけない。
慌て過ぎて味噌汁を作る予定の鍋を
引っくり返してしまったのだ。
「熱つっ!!?」
落ちそうになった鍋を慌てて取ろうとして
熱湯が手にかかってしまった。
あまりの熱さに踞った。
鍋は、そのまま落ちて派手に転がった。
睦月君は、慌てて椅子から
おりると私の方にきた。
「…大丈夫?」
話さない睦月君が思わず
口に出すほど驚いたのだろう。
「えぇ、大丈夫よ。
ちょっとお姉ちゃんドジちゃった。
睦月君にかからなかった?」
苦笑いをしながら尋ねると
コクリと頷いてくれた。
どうやら、かからなかったらしい。
良かった。
私は、鍋を片付けようとする。
手は、熱湯がかかったためヒリヒリして
とても痛い。