少しは、役に立ったのだろうか?

「よし。これなら話がまとまる。小野木。
悪いな、助かった」

先生がお礼を言ってくれた。

「ど、どういたしまして。
お役に立てたのなら光栄です」

嬉しい…初めて役に立てた。

「これは、とりあえず保留だ。
また、新たにプロットを作り直したら
お前に見せてやる」

「は、はい。楽しみにしています」

私が出したアイディアが
先生の作品として活かされる。

光栄なことだ。

するとカランっと音をたてて
睦月君がパフェを食べ終わったようだ。

「食べ終わったのなら帰るとするか。
早く書き直したい」

睦月君の口を拭きながら言う先生。

「は、はい。」

慌てて返事した。

まだ、紅茶も来ていないが仕方がない。
私も一緒に先生の自宅に行くことにした。

自宅に戻ると先生は、すぐに部屋に籠ってしまう。

私は、洗濯物をたたんだ後に冷蔵庫を開けた。

今日は、夕食を作ろうかな。

あれだけドジをやった後だから
信用されるか分からないけど

でも、さすがに毎回作ってもらうのは、
女としてまずい。

見るとこの前、買ったブリがあった。

横に居た睦月君に

「今日は、ブリの煮付けでもいい?」

そう尋ねるとコクリと頷いてくれた。

よし。お礼も兼ねて今日こそは、
失敗せずに美味く作るぞ。

そう思いブリを取り出した。

今回は、何とか派手な失敗をせずに作る事が出来た。