「す、すみませんでした。とんだ失言でした」
必死に頭を下げて謝罪する。
私ごときが意見を言うなんて
そうしたら先生は、ため息を吐きながら
「そこなんだ…俺が迷っているのは」
そう呟いてきた。
「えっ…?」
「とりあえず勢い任せで書いてみたが
その展開に納得していない。
主人公が憎むほどの強い意志…もっと
他にあるのではないかと思ってな」
深く考え込む先生だった。
先生……。
私と同じ事を考えてくれていた。
そう思うのなら、なおさら何かいいアイディアは
ないだろうか?
「そうですね……」
考え込みながら睦月君を見つめる。
睦月君は、黙々とパフェを食べていた。
あ、それなら…。
「昔……幼い頃に2人が会っているというのは、
どうでしょ?」
思わず口に出してみた。
「はぁっ?幼い頃に……会っているだと?」
「は、はい。幼い頃の記憶って
時が経っても強い思い出があるのは、
覚えているではないですか?
刹那は、幼い頃に主人公に会っていて
そこから深い何かが遭った…とか?」
自分から意見を素直に言ってみた。
やっぱりダメだろうか…?
少しは、いいアイディアだと思ったのだけどな。
しゅんと落ち込んでいたら先生が、
「なるほどな。だとしたら…あれは…」
ブツブツと呟きだした。
どうやらアイディアが浮かんできたらしい。