その後、夕食も呼ばれてしまい申し訳ないまま
藤崎家を後にする。
夜の道を歩きながら先生のアドバイスを
思い出していた。
仕事のためではなく相手のために…。
私は、先生達ともっと
距離が縮められるのだろうか?
そうしたら自分も変われるかな?
変わりたい…。
星空を見ながら、そんな事を思っていると突然
電話が鳴り出した。
静かな夜道だったからビクッと震え上がった。
カバンからスマホを取り出し
見てみると親友の木村梨子(きむら りこ)だった。
(そういえば最近会っていないな?)
仕事がお互いに忙しくてなかなか会えなかった。
電話に出ると明るい口調が聞こえてきた。
『久しぶり~元気に頑張っている?涼花』
「うん。久しぶり、梨子。
そっちこそ元気にしてる?
私は、まぁ…色々あるかな。
頑張っては、いるのだけどね」
『何あんた、また何かやらかしたの?』
梨子は、私の性格をよく理解している。
「実は……」
理由を話そうとしたら梨子が
『ねぇ、せっかくだから今から会わない?
私も色々話したくてさ~』
そう言ってきた。
今から
私も久しぶりに色々話をしたい。
「いいわよ。何処で待ち合わせするの?」
結局、駅前の居酒屋で待ち合わせをする。
お店に入るとすでに梨子が居た。
「あ、来た、来た。」