そうするとコクリと連続で頷く睦月君。
するとキッチンの方に駆け出して行ってしまう。

「どうしたの?睦月君」

「どうやら興味がシュークリームの方に
行ったらしい。
アイツは、シュークリームも好きだからな。
だから、もう気にする必要はない。
食べ物には、異常にこだわるが
それ以外は、諦めがいいんだけどな」

そうブツブツと言って先生も
リビングの方に行ってしまった。

先生は、シュークリームが入った箱を
冷蔵庫から取り出し睦月君に出してくれた。

「お前も座れ。一緒に食べるだろ?」

「は、はい。」

慌てて返事をして一緒に座った。

そうすると私の分のシュークリームと
コーヒーを用意してくれた。

「あ、ありがとうございます!」

申し訳ない気持ちでお礼を言った。
するとインターホンが鳴り出した。

お客様だろうか?

「今書いている出版社からだ。
今日取りに来ると言っていたしな」

先生は、対応しに行ってしまう。

チラッと睦月君を見るとカスタードクリームを
口のまわりにつけながら夢中で食べていた。

気に入ってくれたかな?

「睦月君。シュークリーム美味しい?」

すると連続で頷いてくれた。
そして食べ終わったお皿を私に差し出してきた。

「うん?もしかして、おかわりかな?」

そう尋ねるとコクリと頷かれた。

有名店のだから美味しいっていうのもあるけど
気に入ってくれたのなら良かったわ。

思わずホッと一安心する。

「ちょっと、待っててね。すぐに
用意するから」

お皿を持って立ち上がった。