私が代わりに寄って行きたいけど
先生に迎えに行くと言った以上寄り道が出来ないし
チラッと見ると黙って歩いてくれる。

ごめんね…睦月君。

自宅マンションから帰ると
先生にオートロックを開けて貰った。

エレベーターで上がると先生が待っていてくれた。
睦月君は、私の手を離し駆け寄って行く。

ひょいと抱っこする先生。

「あれ?どうした…今日は、元気が無いな?」

すると細かい異変に気づいた。

よく異変が分かったわよね?
さすが父親だ。

ただその原因は、私だけど…。

「あの……実は…」

私は、リビングに行きその理由を話した。

「なるほど…そういう事か」

納得する先生。
申し訳ない気持ちになった。

「あの……申し訳ありませんでした。
私何も知らないくせに勝手な事をして…睦月君の
楽しみを奪ってしまいました」

必死に頭を下げた。

だが先生は、

「いや。俺が詳しく話してなかったから
お前が悪い訳ではない。だから気にするな」

そう許してくれた。

「ですが……」

そうすると睦月君がカバンなどを置いて
こちらに来た。
先生は、睦月君の所に行くと
腰をかがめて頭をポンと撫でた。

「マックなら明日連れて行ってやるから
今日は、我慢しろ。
その代わりお姉ちゃんがお前のために有名店の
シュークリームをくれたから、それを食べろ」

そう言ってフォローしてくれた。