そうするともう一度ため息を吐かれ
「まぁ、いい。睦月は、お前に懐いたようだしな。
それより支度しろ。睦月を迎えに行くから」
そう先生に言われた。
どうやら許してくれたようだ。
若干呆れ返られたような気もするが
「それなら私に任せて下さい。
先生の手を煩わす必要はありません。先生は、
どうぞ小説の方を書いていて下さい」
これぐらいなら私1人でもやれる。
「しかしだな…」
「私にお任せ下さい。
あ、これ……差し入れのシュークリームです!」
先生にシュークリームの入った箱を差し出した。
「あ?あぁ…悪いな」
「では、行ってまいります」
私は、シュークリームの箱を渡すと
張り切って迎えに行った。
少しでも先生の役に立ちたいと思った。
幼稚園の方に行くと
睦月君は、拓馬君達と外で遊んでいた。
居た、居た。あそこに…。
「睦月くーん。お姉ちゃんが迎えに来たから帰ろう」
元気に呼んだ。
私に気づいた睦月君は、私の所に駆け寄ってくれる。
しかし、キョロキョロと辺りを見渡した。
あぁ…先生か。
「せん…じゃなかった。
パパは、お仕事で家に居るわよ。
だから今日は、私と帰ろうね」
笑顔で話しかけた。
そうしたら無言のままため息を吐かれた。
それは、もう……先生と被るように。
あれ?何でため息を吐かれるの?