「うーん。うぐっ…」
何だかズシッと
漬け物石が乗られている感覚がする。
重い……。
目を覚ますと
いつの間にか眠ってしまったらしい。
しかも、ベッドの上…?
起き上がると睦月君が
布団と一緒にしがみついていた。
「睦月君…!?」
睦月君は、ジッと私を見つめながら
「……おはよう」と言ってくれた。
ハッ!!
「熱は!?もう大丈夫なの?」
慌てて尋ねると睦月君は、コクリと頷いた。
良かった…。
ホッと胸を撫で下ろした。
すると
「睦月。熱下がったばかりなんだから
大人しくしていろ。それと涼花。
起きていると言ったくせに
早々と寝てるんじゃねぇーよ。
まったく……」
呆れたように言ってきた。
「すみません……って、えっ?」
今、私の名前を呼んでくれた!?
いつもは、小野木って
苗字で呼んでいたのに。
あわあわと驚いていると先生は、
近寄ってきて
「なにアホ面な顔になってんだよ?
ほら、さっさと着替えろ。
朝めしを食べに行くぞ」
そう言いながらデコピンしてきた。
い、痛い…。
でも、何だか嬉しくなる。
「……はい。すぐに準備します」
少しずつでもいい。
先生に新しい恋心が実りますよーに。