「か、覚悟の上です。
私は、奥様みたいに綺麗ではないし
ドジで何も取り柄がないけど…」

私しか出来ない事が必ずあるはずだ。
梨子にも言われたじゃない。

「私は、自分で思った以上に負けず嫌いみたいです。
だから、負けません」

真っ直ぐと前を向いて伝えた。

諦めが悪いのが、私の取り柄だから

すると先生は、ぐじゃぐじゃと私の頭を撫でた。

「なっ!?」

「やっぱりお前は、他の奴と違い変わっているな。
いや、だから俺に必要なのかも知れない。
お前を見ていると何か変わりそうな気がする」

そう言うと手を離し睦月君の所に戻って行く。

それって…チャンスをくれるという事だろうか?

この恋は、実った訳ではない。

でも、振り出しでも
まだチャンスがあるなら諦めたくない。

すると睦月君が目を覚ましたようだ。

「睦月…目を覚ましたか?」

「睦月君!!」

慌ててベッドに近寄った。
チラッと私達を見ると口を開いた。

「……仲直りしたの?パパとお姉ちゃん」