えっ?
先生の言葉に驚いて顔を上げた。
睦月君の頭を優しく撫でながら私に
「睦月は、勘の鋭い奴だからな。
俺より先に気づき…そして近づけさせようとした。
俺とお前を…」と告げてきた。
「それって…つまり…」
心臓が、ドクッと高鳴った。
「コイツは、気づいているって事だ。とっくに
お前が俺の事を好きだって事をな…」
睦月君が、私の気持ちを……?
あっそういえば
パパのお嫁さんとか言っていたっけ
子供だから
あんな事を言ったのかと思っていだけど……。
あの子なりに私を応援してくれていた?
なのに私ったら…。
そうしたら先生が
「……早く俺が気づくべきだった。
お前やコイツに変な期待をさせる前に…」
眉を曇らせながらそう言った。
「そ、それってどういう意味ですか?」
胸がざわつく。
よくない言葉を言われそうな
不安が私を襲った。
真っ直ぐと私の方を見るとハッキリした口調で
「俺は、お前の気持ちに応える自信がない」
そう告げられた。
「えっ…?」
「言っただろう?俺は、妻を愛している。
ずっと…この気持ちを変わる事はない。
それを抱えたままお前ときちんと向き合えない。
向き合えたとしても…妻の代わりにする気もない」
「そんな中途半端な気持ちにさせるぐらいなら
最初から期待させない方が良かったんだ」
悔しそうに眉を寄せる先生だった。